富士男の日記はこのページから厳封《げんぷう》されて読むことができないから、著者からさらにその夜のできごとを報道することにしよう。
河口にボートをつないで、三人は、とちゅうで撃《う》ったしゃこを焼いて晩|飯《めし》をすました、六時は過ぎたが進潮《でしお》まではまだ三時間もあるから、モコウはストーンパインを採集《さいしゅう》して諸友へのおみやげにしようと森のなかへはいった。
背中に重さを感ずるほどストーンパインをおうてボートへ帰ると、富士男と次郎のすがたが見えない。
「はてな、めずらしい草でも採集してるのだろうか」
モコウがこう思いながら深い草を分けてゆくと、とつぜん大きな木の下から次郎の泣き声がきこえた。
おや! と思うまもなく富士男のしかる声、
「なんということをしたのだ、それでおまえは良心にはじるから、ふさぎこんでいたのだね」
「ごめんなさい、兄さん、ぼくが悪かったのです」
「悪かったというだけではすまないじゃないか、みんながこんなに難儀《なんぎ》するようになったのも、おまえが悪かったからだ、こんなはなれ島にみんなを……」
「ごめんなさい、だからぼくはみんなのためにはい
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