私やるわ」
毎日集まるたびに一同は何か食べることにきまっていた、うなぎやてんぷら、支那料理、文子はいろいろなものをご馳走になった、それらの費用は大抵《たいてい》手塚からでた。だが手塚とても無尽蔵ではない、かれも次第に小遣《こづか》い銭に困りだした。
「文子さん、どうにかならないか」
毎日人のご馳走になってすましているわけにゆかない、文子は母に貰った小遣《こづか》い銭を残らずだした、二、三日すぎてかの女は貯金箱に手をつけた、それからつぎに本を買うつもりで母をだました。そうしなければ秘密をあばかれるからである。こういう状態をつづけてるうちにかの女はだんだんこの団体の不規則で野卑な生活が好きになった、母の前で行儀《ぎょうぎ》をよくしたり、学校の本を復習したりするよりも男の子と遊んで食べたいものを食べているほうがいい。
文子の母はいままでとうってかわった文子の態度に気がついた。かの女は文子をきびしくいましめようと思った、だがその原因をきわめずにいたずらにさわぎを大きくしてはなんの役にも立たぬ、これにはなにか力強い誘惑《ゆうわく》があるにちがいない。
こう思うものの悲しいかなかの女はそれ
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