着やがってするめじゃあるまいし、やい女、ぼりぼりせんべいを食うなよ」
彰義隊《しょうぎたい》はすっかり昂奮《こうふん》してどなりつづけた。
「もういいよ、どなるのはよせよ」と光一はなだめた。
「おれだってどなりたくはないさ、だが……ああ女がでた、あれはなんとかいう女なんだね、どうだ、毛唐《けとう》の面《つら》はみんなさるに似ているね」
写真はおわった、場内が明るくなった。彰義隊《しょうぎたい》は立ちあがって前後左右を見まわした。光一も同じく見まわした。かれは二階の欄干《らんかん》にひたと身体《からだ》を添えて顔をかくしている手塚の姿を見た、はっと思ったがすぐ思い返した、いまここで彰義隊に知らしたら大さわぎになる。
「いないね」と彰義隊がいった。
「いないよ」
「畜生《ちくしょう》め、どこかにかくれてるんだ」
こういったときふたたび電灯が消えた。
「この間に手塚が逃げてくれればいい」と光一は思った。とこのとき彰義隊は拍手喝采した。
「やあやあ、近藤勇《こんどういさみ》だ、やあやあ」
かれは「幕末烈士近藤勇」という標題を見て拍手したのであった。とすぐちょんまげの顔が現われた。
「あ
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