でつづけた。いよいよ明日《あす》になった土曜日の早朝から一同が集まった。
「今日《きょう》は休むよ」と安場はいった。
「明日《あす》が試合ですから、是非今日一日みっちりと練習してください」
 と一同がいった。
「いやいや」と安場は頭をふった。
「今日はゆっくり遊んで晩には早く寝ることにしよう、いいか、熟睡するんだぞ、ひとりでも夜ふかしをすると明日は負けるぞ」
 その日は一日遊んで安場は東京における野球界の話を聞かしてくれた、かれは一高と三高の試合の光景などをおもしろく語った。一同はすっかり興奮《こうふん》して目に涙をたたえ、まっかな顔をして聞いていた。
 その夜千三は明日《あす》の商売のしたくをおわってから窓から外を見やった、外は暗いが空はなごりなく晴れて星は豆をまいたように輝いていた、千三は明日《あす》の好天気を予想してしずかに眠った。
 目がさめると、もう朝日が一ぱいに窓からさしこんですずめの声が楽しそうに聞こえる。
「やあ寝過ごした」と千三はあわてて飛び起きた。
「もっと寝ててもいいよ」と伯父さんはにこにこ[#「にこにこ」に傍点]して店から声をかけた、かれはもう豆腐《とうふ》をお
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