なれ強くなれ、人よりえらくなれと教えました、ぼくはどんなことをしても人よりえらくなろうと思いました、それでぼくはえらくなるためには悪い手段でもかまわないと信じていました、ぼくは小刀やピストルをふりまわして友達をおびやかしました。柔道や剣道で腕《うで》をきたえて、片っ端から人をなぐりました。豆腐屋や八百屋のものをぶんどりました、みながぼくをおそれました、ぼくは自分でえらいものだと思いました、それから学校でカンニングをやって試験をのがれました、手段が不正でもえらくなりさえすればいいと思ったからです、それはお父さんがぼくに教えたのです、お父さんは天下国家のためだから悪いことをしてもかまわない、同志会のためなら恩人を懲役《ちょうえき》にしてもかまわないと思っていらっしゃる、あなたもぼくも同じです、それがいまぼくにはっきりわかりました、腕力で人を征服するよりも心のうちから尊敬されるのが本当にえらい人です、カンニングで試験をパスするよりかむしろ落第する方がりっぱです、人に罪《つみ》を着せて自分がえらそうな顔をしてることは、一番はずべきことではないでしょうか、ぼくはおさないからお父さんは浦和中で一番
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