母となる
福田英子
−−
【テキスト中に現れる記号について】
《》:ルビ
(例)妾《せふ》の
|:ルビの付く文字列の始まりを特定する記号
(例)最初|妾《せふ》に
[#]:入力者注 主に外字の説明や、傍点の位置の指定
(数字は、JIS X 0213の面区点番号、または底本のページと行数)
(例)※[#「研のつくり」、第3水準1−84−17]《そ》は
/\:二倍の踊り字(「く」を縦に長くしたような形の繰り返し記号)
(例)いよ/\
*濁点付きの二倍の踊り字は「/″\」
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一 姙娠《にんしん》
是より先き妾《せふ》の尚《な》ほ郷地《きやうち》に滞在せし時、葉石《はいし》との関係につき他より正式の申込あり、葉石《はいし》よりも直接に旧情を温めたき旨《むね》申来《まをしきた》るなど、心も心ならざるより、東京なる重井《おもゐ》に柬《かん》して其《その》承諾を受け、父母にも告げて再び上京の途《と》に就きしは廿二年七月下旬なり。此頃より妾《せふ》の容体《ようだい》尋常《たゞ》ならず、日を経るに従ひ胸悪く頻《しき》りに嘔吐《おうど》を催しければ、扨《さて》はと心に悟《さと》る所
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