青眼白頭
斎藤緑雨
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【テキスト中に現れる記号について】
《》:ルビ
(例)後生《こうせい》
|:ルビの付く文字列の始まりを特定する記号
(例)燕趙悲歌《えんてうひか》の士|多《おほ》し
/\:二倍の踊り字(「く」を縦に長くしたような形の繰り返し記号)
(例)いと/\
*濁点付きの二倍の踊り字は「/″\」
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○後生《こうせい》を口にすること、一派の癖のやうになりぬ。陸《りく》に汽車あり、海に汽船あり、今や文明の世の便利を主とすればなるべし。何故《なにゆゑ》といはんも事あたらしや、お互に後世に於て、鼻突合はす憂《うれひ》なければなり。憂は寧《むし》ろ、虞《ぐ》に作るをよしとす。
○仰有《おつしや》る通り皆《みな》後世に遺《のこ》りて、後世は一々これが批判に任ぜざる可《べ》からずとせば、なりたくなきは後世なるかな。後世は応《まさ》に塵芥《ぢんかい》掃除《さうぢよ》の請負所の如くなるべし。
○おもふがまゝに後世を軽侮せよ、後世は物言ふことなし、物言ふとも諸君の耳に入ることなし。
○天下後世をいかにせばやなど、何彼《なにか》につけて呼ぶ人あるを見たる時、こは自己をいかにせばや
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