《ひなた》ぼつこに候《そろ》日向《ひなた》ぼつこは今の小生《せうせい》が唯一《ゆいいつ》の楽しみに候《そろ》、人知《ひとし》らぬ楽しみに候《そろ》、病《や》むまじき事|也《なり》衰《おとろ》ふまじき事|也《なり》病《や》み衰《おとろ》へたる小生等《せうせいら》が骨は、人知《ひとし》らぬ苦《く》を以《もつ》て、人知《ひとし》らぬ楽《たのし》みと致候迄《いたしそろまで》に次第《しだい》に円《まる》く曲り行《ゆ》くものに候《そろ》。御憫笑可被下度候《ごびんせふくだされたくそろ》
      ○
読むのもいや書くのもいや、仕方《しかた》がないと申す時あるを小生《せうせい》は感じ申候《まうしそろ》。なまけ者の証拠《しようこ》と存候《ぞんじそろ》この仕方《しかた》がない時|江川《えがは》の玉乗りを見るに定《さだ》めたる事|有之候《これありそろ》、飛離《とびはな》れて面白いでもなく候《そろ》へどもほかの事の仕方《しかた》がないにくらべ候《そろ》へばいくらか面白かりしものと存候《ぞんじそろ》たゞ其頃《そのころ》小生《せうせい》の一|奇《き》と致候《いたしそろ》は萬場《ばんじやう》の観客《かんかく》の面
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