そろ》へども。小父《おぢ》さんの帰りはとつかはと馬車に乗りて喰《く》はねばならぬ我宿《わがやど》の三|膳《ぜん》の冷飯《ひやめし》に急ぎ申候《まうしそろ》。今《いま》や則《すなは》ち如何《いかん》前便《ぜんびん》申上《まうしあ》げ候《そろ》通り、椽端《えんばた》の日向《ひなた》ぼつこに候《そろ》。
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白氏《はくし》が晴天《せいてん》の雨の洒落《しやれ》ほどにはなく候《そろ》へども昨日《さくじつ》差上《さしあ》げ候《そろ》端書《はがき》十五|枚《まい》もより風の枯木《こぼく》の吹けば飛びさうなるもののみ、何等《なんら》風情《ふぜい》をなすべくも候《そろ》はず、取捨《とりすて》は御随意《ごずいい》に候《そろ》骨《ほね》の折《を》れる事には随分《ずいぶん》骨を折り候《そろ》男と我《われ》ながらあとにて感服仕候《かんぷくつかまつりそろ》。日影《ひかげ》弱《よは》き初冬《はつふゆ》には稀《まれ》なる暖《あたゝか》さに候《そろ》まゝ寒斉《かんさい》と申すにさへもお耻《はづ》かしき椽端《えんばた》に出《い》でゝ今日《こんにち》は背を曝《さら》し居《を》り候《そろ》、所謂《いはゆる》日向
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