か》に毒流を漲《みなぎ》らして死地に化す。――
足尾が古河市兵衛の手に渡つたのが、明治十年だ。彼は不撓不屈の精力で、専心この山の開鑿に従事した。その成績は左の数字の上に明白に現はれて居る。
足尾の製銅表
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明治十年 七七、〇〇〇斤
同 十一年 八一、〇〇〇
同 十二年 一五一、〇〇〇
同 十三年 一五四、〇〇〇
同 十四年 二九〇、〇〇〇
同 十五年 二二三、〇〇〇
同 十六年 一、〇八九、〇〇〇
同 十七年 三、八四九、〇〇〇
同 十八年 六、八八六、〇〇〇
同 十九年 六、〇五二、〇〇〇
同 二十年 五、〇二九、二五七
同 廿一年 六、三六八、五五八
同 廿二年 八、一四六、六六六
同 廿三年 九、七四六、一〇〇
同 廿四年 一二、七〇四、六三五
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特に古河の事業を俄に刺戟したのは、明治二十一年、当時世界の市場を騒がせた仏国のシンヂケートと契約して、廿三年に至る三年間一万九千噸提供に応じたことで、これが為め
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