鉱毒飛沫
木下尚江
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【テキスト中に現れる記号について】
《》:ルビ
(例)図《はか》らざりき
|:ルビの付く文字列の始まりを特定する記号
(例)兇徒|嘯聚罪《せうしうざい》
[#]:入力者注 主に外字の説明や、傍点の位置の指定
(数字は、JIS X 0213の面区点番号、または底本のページと行数)
(例)※[#二の字点、1−2−22]
/\:二倍の踊り字(「く」を縦に長くしたような形の繰り返し記号)
(例)這《は》ふ/\居村へ逃れり。
*濁点付きの二倍の踊り字は「/″\」
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兇徒嘯聚の疑獄起る
二月十三日、利根の河畔に於ける足尾鉱毒被害民と憲兵警官との衝突を報道せんことは、余が此の旅行の主たる目的には非ざりしなり。図《はか》らざりき余が重きを置かざりし此の出来事は、今や却《かへつ》て案外なる大疑獄を惹起《じやくき》せんとは。
直接に中央政府に向て請願せんと企てたる彼等二千五百の鉱毒被害民は、憲兵警官の為めに解散せられたり。而して之と同時に彼等人民は「兇徒|嘯聚罪《せうしうざい》」の告発を受けたり。
十五日、栃木県足利郡久野村の村長稲村與一、室田忠七、
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