した仕方と思つたからこそ、君を媒酌人《ばいしやくにん》と云ふことに頼んだのだ、最早《もう》彼此《かれこれ》、半歳《はんとし》にもなるぞ、同僚などから何時式を挙げると聞かれるので、其の都度《つど》、実に軍人の態面《たいめん》に泥を塗られる様に感ずるわイ、人を馬鹿にするも程があるぞ」
「イヤ、もう、其事に就《つ》きましては絶えず心配して居りますので、――何分当人が、少こし変物《かはりもの》と来て居りますので――」
「馬鹿言へ、高が一人の婦人《をんな》ぢやないか、其様《そんな》ことで親の権力が何処《どこ》に在《あ》る――それに大洞、吾輩は今日、実に怪《け》しからんことを耳に入れたぞ」満々たる大盃《だいコップ》取り上げて、グウーツとばかり傾けたり、

     八の二

「はア」と、訝《いぶ》かる大洞《おほほら》の面上|目懸《めが》けて松島は酒気吹きかけつ「君、山木は彼《あ》の同胞新聞とか云ふ木葉《こつぱ》新聞の篠田ツて奴に、娘を呉れて遣る内約があるンださうぢやないか、失敬ナ、篠田――彼奴《あいつ》、社会党ぢやないか、国賊と縁組みして此の海軍々人の面《かほ》に泥を塗る量見か、――此方《こつち》
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