からずと、多謝す、アヽ独逸皇帝よ、汝の努力に依《よつ》て我独逸の社会党は、忽然《こつぜん》八十余名の大多数を議会に送ることを得たりしなり、独逸社会党の勝利は主義に繋《つな》がるゝ全|兄弟《けいてい》の勝利なり、独逸皇帝、彼は憐《あはれ》むべき一個の驕慢児《けふまんじ》なるのみ、
世の露西亜《ロシヤ》を言ふもの、亦《ま》た一に露西亜の皇帝を見、宮室を見、貴族を見、軍隊を見て足れりとなす、何等の不公平にして又た何等の浅学ぞや、露西亜には不幸にして未《いま》だ真正なる民意を発表すべき国民的機関なきが故《ゆゑ》に、之を公然証明すること能はずと雖《いへど》も、如何《いか》に自由独立の健全雄偉の思想と信仰とが、既に社会の裏面に普及しつつあるかは時々《じゝ》喧伝《けんでん》せらるゝ学生、農民、労働者の騒擾《さうぜう》に依りて、乞ふ其一端を観取せられよ、
陸軍大臣クロパトキンの名は日本国民の記憶する所ならん、然《しか》れ共《ども》彼に取《とつ》て目下の最大苦心問題は満洲占領に非ず、日本との戦争に非ずして、露西亜の軍隊に在り、彼等が砲剣に依《よつ》て外国侵略を計画しつゝある時、看《み》よ、社会主義の
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