私は篠田さん、ほんたうに懺悔《ざんげ》致しました、そして決心致したので御座います、私は兼ねて愚父《ちゝ》から多少の地所と財産とを譲り受けて居りまするので、所詮《しよせん》不義の結果の財産のですから、一には贖罪《しよくざい》の為め、此の身と併《あは》せて貧民教育に貢献したいと考へて居たので御座いますが、今度|愈々《いよ/\》着手致すことに決心しまして御座います、申す迄もなく、只だ貴所《あなた》の御指揮《ごさしづ》をと其れのみ心頼《こゝろたのみ》で御座いましたものを、――」
「ア、其れで安心致しました」と、篠田は晴々《はればれ》と微笑を洩せり「梅子さん、誠に良き御計画で御座います、若《も》し私が自由の身で在りませうならば、充分御協議致しまして聊《いさゝ》か理想を実行して見たいのでありますが――然《し》かし決して御心配なさいますな、社会主義倶楽部の諸君は、無論|満腔《まんかう》の尊敬と同情とを以て、貴嬢《あなた》の御事業を賛助致しませう」
 篠田の面《かほ》は輝き来れり「梅子さん、教会の為の宗教は未練なくお棄てなさい、原因を治《をさ》めない慈善事業は偽善者に御一任なさい、富の集中、富の不平均
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