》の社会党から運動費を取り寄せる手筈をする、其ればかりでは駄目ぢやと申すので、近々東京に全国労働者の大会を開く計画する、何《いづ》れも其の張本は彼《か》の篠田で御座りまする、左《さ》ればこそ先刻も、閣下、彼奴等《きやつら》の取締に就て、御尽力を歎願したでは御座りませぬか――」
「ウム」と思案せる侯爵「成程――何《ど》うぢや松島、山木の言ふ所道理|至極《しごく》と聞かれるでは無いか」松島は莨《たばこ》くゆらしつゝ「然《し》かし、閣下、御本尊が嫁《ゆ》きたいと申すものを、之を束縛する親の権力も無いでは御座りませぬか」
山木は顔突き出し「其れは閣下、全く松島様の御聞き誤りで御座りまする、先頃迄は娘共の参る教会に篠田も居たので御座りました、其れで何かとあらぬ風評を致すものもあつたらしいで御座りまするが、彼《あ》の様な不都合な漢子《もの》を置くのは、国体上容易ならぬことと心着きまして、私から教会へ指図して放逐致した次第で御座りまする――承りますれば、彼奴等《きやつら》平生、露西亜《ロシヤ》の虚無党などとも通信し合つて居るさうに御座りまするし、其れに彼奴、教会を放逐された後は、何でも駿河台《する
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