が面白いや、書生の大和ツて男《ひと》が言ふにやネ、誰も好んで泥棒などするのでは無いだから、余つてるものが在《あ》るなら、無いものに融通するのは人間の義務で、他人が困つてるのに自分ばかり栄耀《ええう》してるのが、ほんたうの泥棒だとよ」
「ふウム、一理あるナ、――所で近来|素敵《すてき》な別嬪《べつぴん》が居るぢやねエか、老母《おふくろ》付きか何かで」
「母子《おやこ》ぢや無《ね》いよ、老婆《ばゝあ》の方は月の初めから居るが、別嬪の方はツイ此頃だ、何でも新橋あたりの芸妓《げいしや》あがりだツてことだ」
「へい、筒袖《つゝツぽ》先生、マンざら袖無《そでね》エばかりでも無《ね》いと見えるナ」
「所が言葉の使ひツ披《ぷり》から察しると、其様《さう》らしくも無い、馬鹿丁寧なこと言ひ合つてるだ」
「どうも此の界隈《かいわい》にや、渡辺国武だの、津田仙《つだせん》だの、矢野二郎だの、安藤太郎だのツて一《ひ》と風《ふう》変《かは》つた連中のお揃ひだナ」「何《いづ》れ麻布七不思議ツてなことになるのだろ、ハヽヽヽヽ」

      *     *     *

 小僧等の目をさへ驚かしたる篠田方の二個《ふた
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