がまいりますか」
と言うのはこの人の女の兄弟のことらしい。
「歳月がたつにしたがって周囲が寂しくなりますよ。常陸は久しく手紙をよこしませんよ。上京するまでお祖母《ばあ》様がいらっしゃるかどうかあぶないようでもあるのですよ」
浮舟の姫君は自身の親と同じ名の呼ばれていることにわけもなく耳がとまるのであったが、また客が、
「京へ出てまいってもすぐに伺えませんでした。地方官としてこちらでする仕事がたくさんでめんどうなことも中にはあるのです。それに昨日《きのう》こそは伺おうと思っていたのですが、それも右大将さんの宇治へおいでになったお供に行ってしまいましてね。以前の八の宮の住んでおいでになった所に終日おいでになったのですよ。宮の姫君の所へ通っておられたのですが、最初の方は前にお亡《な》くしになって、そのお妹さんをまたそこへ隠すように住ませて通っておいでになったのですが、去年の春またお亡くなりになったのです。一周忌の仏事をされることになっていまして、宇治の寺の律師をお呼び寄せになって、その日の指図《さしず》をしておいでになりましてね。私もその方に供える女の装束一そろいの調製を命ぜられましたが、
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