く刃《やいば》の酷《むご》くあてらるべき、恨《うらみ》も憎《にくみ》も火上の氷、思わず珠運は鉈《なた》取落《とりおと》して、恋の叶わず思《おもい》の切れぬを流石《さすが》男の男泣き、一声|呑《のん》で身をもがき、其儘《そのまま》ドウと臥《ふ》す途端、ガタリと何かの倒るゝ音して天より出《いで》しか地より湧《わき》しか、玉の腕《かいな》は温く我|頸筋《くびすじ》にからまりて、雲の鬢《びん》の毛|匂《にお》やかに頬《ほほ》を摩《なで》るをハット驚き、急《せわ》しく見れば、有《あり》し昔に其儘《そのまま》の。お辰かと珠運も抱《だき》しめて額《ひたい》に唇。彫像が動いたのやら、女が来たのやら、問《とわ》ば拙《つたな》く語らば遅し。玄《げん》の又《また》玄《げん》摩訶不思議《まかふしぎ》。
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団円 諸法実相
帰依仏《きえぶつ》の御利益《ごりやく》眼前にあり
恋に必ず、必ず、感応《かんのう》ありて、一念の誠|御心《みこころ》に協《かな》い、珠運《しゅうん》は自《おの》が帰依仏《きえぶつ》の来迎《らいごう》に辱《かたじけ》なくも拯《すく》いとられて、お辰《たつ
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