深き都の若佼《わこうど》を幾人《いくたり》か迷わせ玉うらん御標致《ごきりょう》の美しさ、却《かえ》って心配の種子《たね》にて我をも其等《それら》の浮《うき》たる人々と同じ様《よう》に思《おぼ》し出《いず》らんかと案《あん》じ候《そうろう》ては実《げ》に/\頼み薄く口惜《くちおし》ゅう覚えて、あわれ歳月《としつき》の早く立《たて》かし、御《おん》おもかげの変りたる時にこそ浅墓《あさはか》ならぬ我《わが》恋のかわらぬ者なるを顕《あらわ》したけれと、無理なる願《ねがい》をも神前に歎《なげ》き聞《きこ》え候《そろ》と、愚痴の数々まで記して丈夫そうな状袋を択《えら》み、封じ目油断なく、幾度か打《うち》かえし/\見て、印紙正しく張り付《つけ》、漸く差し出《いだ》したるに受取《うけとっ》たと計《ばかり》の返辞もよこさず、今日は明日はと待つ郵便の空頼《そらだのめ》なる不実の仕方、それは他《あだ》し婿がね取らせんとて父上の皆|為《な》されし事。又しても妄想《もうぞう》が我を裏切《うらぎり》して迷わする声憎しと、頭《かしら》を上《あぐ》れば風流仏悟り済《すま》した顔、外には
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清水《
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