りて、
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からからとからき浮世《うきよ》の塩釜《しおがま》で
せんじつめたりふところの中
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はらの町にて、
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宮城野《みやぎの》の萩《はぎ》の餅《もち》さえくえぬ身の
はらのへるのを何と仙台
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二十日、朝、曇《くも》り。午前九時知る人をたずねしに、言葉の聞きちがえにて、いと知れにくかりければ、
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いそがずはまちがえまじを旅人の
あとよりわかる路次のむだ道
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二十一日、この日もまた我が得べき筋の金を得ず、今しばらく待ちてよとの事に逗留《とうりゅう》と決しける。
二十二日、同じく閑窓《かんそう》読書の他なし。
二十三日、同じく。
二十四日、同じく。
二十五日、朝、基督《キリスト》教会堂に行きて説教をきく。仏教もこの教も人の口より聞けば有難《ありがた》からずと思いぬ。
二十六日、いかがなしけん頭痛|烈《はげ》しくしていかんともしがたし。
二十七日、同じく頭痛す。
二十八日、少許《すこし》の金と福島までの馬車
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