となり。東西共におもしろし。
[#ここで字下げ終わり、小さい活字も終わり]
東 知らぬが仏
西 しわんぼの柿の核子《たね》
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無悩又無憂、知らざるもの即ち是れ仏なり。吝嗇の徒柿の核子にもまた依※[#二の字点、1−2−22]恋※[#二の字点、1−2−22]として之を棄つる能はざる、悲む可く笑ふ可きなり。東の方おもしろし。
[#ここで字下げ終わり、小さい活字も終わり]
東 縁は異なもの
西 縁の下の舞
[#ここから2字下げ、小さい活字]
東のは赤縄紅糸の相牽連するは、人意を以て測る可からざるものあるを云ひ、西のは縁の下の舞の舞ひ得て妙なるも、堂上の眼に入らざることを云へるなり。東の方にて「縁の下の力持」と云ふよりも舞といへるはおもしろし。
[#ここで字下げ終わり、小さい活字も終わり]
東 びん乏暇無し
西 瓢箪に鯰
[#ここから2字下げ、小さい活字]
貧者余閑無しといへる、瓢箪は鯰を捉ふ可からずといへる、二語共に妙無し。西の諺、むかしは「膝がしらの江戸行」といへるなりしよし。
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東 もんぜんの小僧習はぬ経を
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