震は亨る
幸田露伴

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【テキスト中に現れる記号について】

《》:ルビ
(例)震《しん》は

|:ルビの付く文字列の始まりを特定する記号
(例)其|巣《す》を

[#]:入力者注 主に外字の説明や、傍点の位置の指定
   (数字は、JIS X 0213の面区点番号、または底本のページと行数)
(例)※[#「隙のつくり+虎」、225−3]

/\:二倍の踊り字(「く」を縦に長くしたような形の繰り返し記号)
(例)たん/\
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 震《しん》は亨《とほ》る。何をか悪《にく》まむやである。彖伝《たんでん》には、震来つて※[#「隙のつくり+虎」、225−3]※[#二の字点、1−2−22]《げきげき》たりとは、恐るれば福を致すなりとある。恐るれば福を致し、或は侮り、或は亢《たかぶ》れば災を致すのは、何事に於ても必ず然様有る可き道理である。古人は決して我等に虚言《うそ》を語つて居らぬ。恐るれば此心はおのづから誠に返る、誠なれば亨り、誠なれば福は至るべきである。そこで震の大象伝《たいしやうでん》にも、君子以て恐懼修省すとある。恐懼修省の工夫が有れば、以て宗廟社稷を守り、以て祭主と為るべきであ
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