水の東京
幸田露伴
−−
【テキスト中に現れる記号について】
《》:ルビ
(例)往時《むかし》
|:ルビの付く文字列の始まりを特定する記号
(例)行く事|僅少《わずか》にして
[#]:入力者注 主に外字の説明や、傍点の位置の指定
(数字は、JIS X 0213の面区点番号、または底本のページと行数)
(例)家※[#二の字点、1−2−22]立ちつゞきて
[#(…)]:訓点送り仮名
(例)一[#(ト)]条《すじ》二[#(タ)]条
/\:二倍の踊り字(「く」を縦に長くしたような形の繰り返し記号)
(例)きら/\と
−−
上野の春の花の賑ひ、王子の秋の紅葉の盛り、陸の東京のおもしろさは説く人多き習ひなれば、今さらおのれは言はでもあらなん。たゞ水の東京に至つては、知るもの言はず、言ふもの知らず、江戸の往時《むかし》より近き頃まで何人《なんびと》もこれを説かぬに似たれば、いで我試みにこれを語らん。さはいへ東京はその地勢河を帯にして海を枕せる都なれば、潮《しお》のさしひきするところ、船の上り下りするところ、一[#(ト)]条《すじ》二[#(タ)]条のことならずして極めて広大繁
次へ
全32ページ中1ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
幸田 露伴 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング