木場の北に至り、要橋《かなめばし》崎川橋下を過ぎて横川に会し、なほ東して石小田新田《いしおだしんでん》、千田新田《せんだしんでん》の間を通り天神川に会して終る。この川より天神川に出でゝ少しく北し、あるいはまた小名木川より天神川に出でゝ少しく南すれば、東海に入るの一渠を得。これ即ち
○砂村川と称するものにして、砂村を過ぎて中川に至る。隅田川より中川に至るには小名木川あり竪川あれば、この小渠の如きは無用に似たれども、風潮の都合によりて時に舟夫の便とするところとなることあり。仙台堀と油堀とを連ぬる小渠は一条のみならず、また木場附近の大和橋及び鶴歩橋の架れる一渠その他の小渠は、一※[#二の字点、1−2−22]記するに遑《いとま》あらざるを以て省く。けだし木場の如きは溝渠縦横、水多くして地少く、一※[#二の字点、1−2−22]これを記する能《あた》はざればなり。仙台堀入口より中洲へ渡るの
○中洲の渡船場あり。渡船場の下一町余にして復《また》小渠の東南に入るあり。いはゆる
○油堀はこれにして、これもまた仙台堀と同じく木場に達するの渠なれば、二水共に材木船及び筏の多きは知るべきなり。深川側は既に説け
前へ
次へ
全32ページ中24ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
幸田 露伴 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング