願う、真品と共に秘蔵して永く副品《ふくひん》としますから」というので、四十|金《きん》を贈ったということである。無論丹泉はその後また同じ品を造りはしなかったのであろう。
 この談《はなし》だけでもかなり骨董好きは教えられるところがあろうが、談はまだ続くのである。それから年月を経て、万暦《まんれき》の末年頃、淮安《わいあん》に杜九如《ときゅうじょ》というものがあった。これは商人で、大身上《だいしんしょう》で、素敵な物を買出すので名を得ていた。千金を惜《おし》まずして奇玩《きがん》をこれ購《あがな》うので、董元宰《とうげんさい》の旧蔵の漢玉章《かんぎょくしょう》、劉海日《りゅうかいじつ》の旧蔵の商金鼎《しょうきんてい》なんというものも、皆杜九如の手に落ちた位である。この杜九如が唐太常の家にある定鼎の噂を聞いていて、かねがねどうかして手に入れたいものだと覗《うかが》っていた。太常の家は孫の代になって、君兪《くんゆ》というものが当主であった。君兪は名家に生れて、気位《きぐらい》も高く、かつ豪華で交際を好む人であったので、九如は大金を齎《もた》らして君兪のために寿《じゅ》を為し、是非ともどうか名
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