ぎるが腹立たしく、四方八方どこからどこまで考えて、ここを推せばそこに襞※[#「ころもへん+責」、第3水準1−91−87]《ひずみ》が出る、あすこを立てればここに無理があると、まあ我の知恵分別ありたけ尽して我のためばかり籌《はか》るではなく云うたことを、むげに云い消されたが忌々《いまいま》しくて忌々しくて随分|堪忍《がまん》もしかねたが、さていよいよ了見を定《き》めて上人様のお眼にかかり所存を申し上げて見れば、よいよいと仰せられたただの一言に雲霧《もやもや》はもうなくなって、清《すず》しい風が大空を吹いて居るような心持になったわ、昨日《きのう》はまた上人様からわざわざのお招きで、行って見たれば我を御賞美のお言葉数々のその上、いよいよ十兵衛に普請一切申しつけたが蔭《かげ》になって助けてやれ、皆|汝《そなた》の善根福種になるのじゃ、十兵衛が手には職人もあるまい、彼《あれ》がいよいよ取りかかる日には何人《いくら》も傭《やと》うその中《うち》に汝が手下の者も交じろう、必ず猜忌邪曲《そねみひがみ》など起さぬようにそれらには汝からよく云い含めてやるがよいとの細かいお諭《さと》し、何から何まで見透しで
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