華嚴瀧
幸田露伴
−−
【テキスト中に現れる記号について】
《》:ルビ
(例)安成子《やすなりし》の
|:ルビの付く文字列の始まりを特定する記号
(例)何八景|彼《かに》八景
[#]:入力者注 主に外字の説明や、傍点の位置の指定
(数字は、JIS X 0213の面区点番号、または底本のページと行数)
(例)[#「晉+戈」、第4水準2−12−85]
[#…]:返り点
(例)金華《きんくわ》開[#二]八景[#一]《はつけいをひらく》
/\:二倍の踊り字(「く」を縦に長くしたような形の繰り返し記号)
(例)とう/\
*濁点付きの二倍の踊り字は「/″\」
−−
一
昭和二年七月の九日、午後一時過ぐるころ安成子《やすなりし》の來車を受け、かねての約に從つて同乘して上野停車場へと向つた。日本八景の一と定められた華嚴《けごん》の瀑布及びその附近景勝遊覽のためであつた。
二時五分の日光直行の汽車はわれ等二人を乘せてはしり出した。車窓の眺めは例によつて例の如しであるから退屈の餘りの時間を雜談に消すほかはなかつたが、安成子は職分に忠實なので、しきりに八景論を提出して老
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