と共に元族《げんぞく》を漠北《ばくほく》に征す。秦王《しんおう》晋王《しんおう》は怯《きょ》にして敢《あえ》て進まず、王将軍|傅友徳《ふゆうとく》等を率いて北出し、※[#「二点しんにょう+施のつくり」、第3水準1−92−52]都山《いとさん》に至り、其将|乃児不花《ナルプファ》を擒《とりこ》にして還《かえ》る。太祖|大《おおい》[#「大《おおい》」は底本では「大《おおい》い」]に喜び、此《これ》より後|屡《しばしば》諸将を帥《ひき》いて出征せしむるに、毎次功ありて、威名|大《おおい》に振《ふる》う。王既に兵を知り戦《たたかい》に慣《な》る。加うるに道衍《どうえん》ありて、機密に参し、張玉《ちょうぎょく》、朱能《しゅのう》、丘福《きゅうふく》ありて爪牙《そうが》と為《な》る。丘福は謀画《ぼうかく》の才張玉に及ばずと雖《いえど》も、樸直《ぼくちょく》猛勇、深く敵陣に入りて敢戦死闘し、戦《たたかい》終って功を献ずるや必ず人に後《おく》る。古《いにしえ》の大樹《たいじゅ》将軍の風あり。燕王をして、丘将軍の功は我|之《これ》を知る、と歎美《たんび》せしむるに至る。故に王の功臣を賞するに及びて、福
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