|其《その》首《しゅ》たり、淇国公《きこくこう》に封《ほう》ぜらる。其《その》他《た》将士の鷙悍※[#「敖/馬」、UCS−9A41、297−4]雄《しかんごうゆう》の者も、亦《また》甚《はなは》だ少《すくな》からず。燕王の大事を挙ぐるも、蓋《けだ》し胸算《きょうさん》あるなり。燕王の張※[#「日/丙」、第3水準1−85−16]《ちょうへい》謝貴《しゃき》を斬《き》って反を敢《あえ》てするや、郭資《かくし》を留《とど》めて北平《ほくへい》を守らしめ、直《ただち》に師を出《いだ》して通州《つうしゅう》を取り、先《ま》ず薊州《けいしゅう》を定めずんば、後顧の患《うれい》あらんと云《い》える張玉の言を用い、玉をして之を略せしめ、次《つい》で夜襲して遵化《じゅんか》を降《くだ》す。此《これ》皆|開平《かいへい》の東北の地なり。時に余※[#「王+眞」、第4水準2−80−87]《よてん》居庸関《きょようかん》を守る。王曰く、居庸は険隘《けんあい》にして、北平の咽喉《いんこう》也、敵|此《ここ》に拠《よ》るは、是《こ》れ我が背《はい》を拊《う》つなり、急に取らざる可からずと。乃《すなわ》ち徐安《じょあ
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