肆《しゅし》に飲ましめ、王みずから衛士の儀表堂々たるもの九人に雑《まじ》わり、おのれ亦《また》衛士の服を服し、弓矢《きゅうし》を執《と》りて肆中《しちゅう》に飲む。※[#「王+共」、第3水準1−87−92]一見して即《すなわ》ち趨《はし》って燕王の前に拝して曰《いわ》く、殿下何ぞ身を軽んじて此《ここ》に至りたまえると。燕王等笑って曰く、吾輩《わがはい》皆護衛の士なりと。※[#「王+共」、第3水準1−87−92]|頭《こうべ》を掉《ふ》って是《ぜ》とせず。こゝに於て王|起《た》って入り、※[#「王+共」、第3水準1−87−92]を宮中に延《ひ》きて詳《つばら》に相《そう》せしむ。※[#「王+共」、第3水準1−87−92]|諦視《ていし》すること良《やや》久しゅうして曰《いわ》く、殿下は龍行虎歩《りゅうこうこほ》したまい、日角《にっかく》天を挿《さしはさ》む、まことに異日太平の天子にておわします。御年《おんとし》四十にして、御鬚《おんひげ》臍《へそ》を過《す》ぎさせたもうに及ばせたまわば、大宝位《たいほうい》に登らせたまわんこと疑《うたがい》あるべからず、と白《もう》す。又|燕府《えんふ》
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