と識《し》るに及びたるは、道衍が嵩山寺《すうざんじ》に在りし時にあり。袁※[#「王+共」、第3水準1−87−92]《えんこう》道衍が相をつく/″\と観《み》て、是《こ》れ何ぞ異僧なるや、目は三角あり、形は病虎《びょうこ》の如し。性|必《かな》らず殺を嗜《たしな》まん。劉秉忠《りゅうへいちゅう》の流《りゅう》なりと。劉秉忠は学《がく》内外を兼ね、識《しき》三才を綜《す》ぶ、釈氏《しゃくし》より起《おこ》って元主を助け、九州を混一《こんいつ》し、四海を併合す。元の天下を得る、もとより其の兵力に頼《よ》ると雖も、成功の速疾なるもの、劉の揮※[#「てへん+霍」、UCS−6509、275−10]《きかく》の宜《よろ》しきを得るに因《よ》るもの亦《また》鮮《すくな》からず。秉忠は実に奇偉卓犖《きいたくらく》の僧なり。道衍秉忠の流なりとなさる、まさに是れ癢処《ようしょ》に爬着《はちゃく》するもの。是れより二人、友とし善《よ》し。道衍の※[#「王+共」、第3水準1−87−92]《こう》を燕王に薦むるに当りてや、燕王|先《ま》ず使者をして※[#「王+共」、第3水準1−87−92]《こう》と与《とも》に酒
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