しという。三※[#「蚌のつくり」、第3水準1−14−6]|嘗《かつ》て武当の諸《しょ》巌壑《がんがく》に游《あそ》び、此《この》山《やま》異日必ず大《おおい》に興《おこ》らんといいしもの、実となってこゝに現じたる也。


 建文帝《けんぶんてい》は如何《いか》にせしぞや。伝えて曰《いわ》く、金川門《きんせんもん》の守《まもり》を失うや、帝自殺せんとす。翰林院編修《かんりんいんへんしゅう》程済《ていせい》白《もう》す、出亡《しゅつぼう》したまわんには如《し》かじと。少監《しょうかん》王鉞《おうえつ》跪《ひざまず》いて進みて白《もう》す。昔|高帝《こうてい》升遐《しょうか》したもう時、遺篋《いきょう》あり、大難に臨まば発《あば》くべしと宣《のたま》いぬ。謹んで奉先殿《ほうせんでん》の左に収め奉れりと。羣臣《ぐんしん》口々に、疾《と》く出《いだ》すべしという。宦者《かんじゃ》忽《たちまち》にして一の紅《くれない》なる篋《かたみ》を舁《か》き来《きた》りぬ。視《み》れば四囲は固《かた》むるに鉄を以てし、二|鎖《さ》も亦《また》鉄を灌《そそ》ぎありて開くべくも無し。帝これを見て大《おおい》に慟《
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