うがい》の詩、累篇《るいへん》積章《せきしょう》して甚だ多きを致す。衛承芳《えいしょうほう》が古風一首、中《うち》に句あり、曰く、

[#ここから2字下げ]
古来 馬を叩《たた》く者、
采薇《さいび》 逸民を称す。
明《みん》の徳 ※[#「言+巨」、第3水準1−92−4]《なん》ぞ周《しゅう》に遜《ゆず》らん。
乃《すなわ》ち其の仁を成す無からんや。
[#ここで字下げ終わり]

と。劉秉忠《りゅうへいちゅう》を慕うの人|道衍《どうえん》は其の功を成して秉忠の如くなるを得《え》、伯夷《はくい》を慕うの人|方希直《ほうきちょく》は其の節を成して伯夷に比せらるゝに至る。王思任《おうしじん》二律の一に句あり、曰く、

[#ここから2字下げ]
十族 魂《たま》の 暗き月に依《よ》る有り、
九原《きゅうげん》 愧《はじ》の 青灯に付する無し。
[#ここで字下げ終わり]

と、李維※[#「木+貞」、第3水準1−85−88]《りいてい》五律六首の中《うち》に句あり、曰く、

[#ここから2字下げ]
国破れて 心 仍《なお》在《あ》り、
身|危《あやう》ふして 舌 尚《なお》存す。
[#ここで字下げ終わ
前へ 次へ
全232ページ中195ページ目


小説の先頭へ
文字数選び直し
幸田 露伴 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ 登録 ご利用方法 ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング