ほう》 枳《からたち》に栖《す》むと、
豈《あに》同じからんや 魚の※[#「网/卯」、354−11]《やな》に在《あ》るに。
藜※[#「くさかんむり/霍」、第3水準1−91−37]《れいかく》 我《わが》腸《はらわた》を充《みた》し、
衣《い》蔽《やぶ》れて 両肘《りょうちゅう》露《あら》はる。
※[#「くさかんむり/(止+頁+巳)/夂」、第3水準1−15−72]龍《きりゅう》 高位に在り、
誰《たれ》か来《きた》りて 可否を問はん。
盤旋《ばんせん》す 草※[#「くさかんむり/奔」、UCS−83BE、356−4]《そうもう》の間《あいだ》に、
樵牧《しょうぼく》 日に相《あい》叩《たた》く。
嘯詠《しょうえい》 寒山《かんざん》に擬し、
惟《ただ》 道を以て自負す。
忍びざりき 強ひて塗抹《とまつ》して、
乞《こい》媚《こ》びて 里婦《さとのおんな》に効《なら》ふに。
山霊 蔵《かく》るゝことを容《ゆる》さず、
辟歴《はたたがみ》 岡阜《こうふ》を破りぬ。
門を出《い》でゝ 天日を睹《み》る、
行也《こうや》 焉《いずく》にぞ 肯《あえ》て苟《いやしく》もせん。
一挙して 即ち北に上
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