いうに至る。性情|行径《こうけい》相《あい》近《ちか》し、俳徊《はいかい》感慨、まことに止《や》む能《あた》わざるものありしならん。又別に、春日《しゅんじつ》劉太保《りゅうたいほ》の墓に謁するの七律《しちりつ》あり。まことに思慕の切なるを証すというべし。東游《とうゆう》せんとして郷中《きょうちゅう》諸友《しょゆう》に別るゝの長詩に、
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我|生《うま》れて 四方《しほう》の志あり、
楽《たのし》まず 郷井《きょうせい》の中《うち》を。
茫乎《ぼうこ》たる 宇宙の内、
飄転《ひょうてん》して 秋蓬《しゅうほう》の如し。
孰《たれ》か云ふ 挾《さしはさ》む所無しと、
耿々《こうこう》たるもの 吾《わが》胸に存す。
魚《うお》の※[#「さんずい+樂」、第4水準2−79−40]《いけ》に止《とど》まるを為《な》すに忍びんや、
禽《とり》の籠《かご》に囚《とら》はるゝを作《な》すを肯《がえん》ぜんや。
三たび登ると 九たび到《いた》ると、
古徳《ことく》と与《とも》に同じうせんと欲す。
去年は 淮楚《わいそ》に客《かく》たりき、
今は往《ゆ》かんとす 浙水《せっすい》の東。
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