1−91−91]籌《さかずきのかず》 何《なん》ぞ肯《あえ》て数へむ。
流年 ※[#「犬/(犬+犬)」、UCS−730B、346−9]《はやく》馳《はしる》を嘆く、
力有るも誰《たれ》か得て阻《とど》めむ。
人生 須《すべか》らく歓楽すべし、
長《とこしえ》に辛苦せしむる勿《なか》れ。
[#ここで字下げ終わり]

 擬古の詩、もとより直《ただち》に抒情《じょじょう》の作とす可《べ》からずと雖《いえど》も、此《これ》是《こ》れ緇《くろき》を披《き》て香を焚《た》く仏門の人の吟ならんや。其《そ》の北固山《ほっこざん》を経て賦《ふ》せる懐古の詩というもの、今存するの詩集に見えずと雖も、僧|宗※[#「さんずい+こざとへん+力」、第4水準2−78−33]《そうろく》一読して、此《これ》豈《あに》釈子《しゃくし》の語ならんや、と曰《い》いしという。北固山は宋《そう》の韓世忠《かんせいちゅう》兵を伏せて、大《おおい》に金《きん》の兀朮《ごつじゅつ》を破るの処《ところ》たり。其詩また想《おも》う可き也《なり》。劉文《りゅうぶん》貞公《ていこう》の墓を詠ずるの詩は、直《ただち》に自己の胸臆《きょうおく》
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