なり、とあるに本《もと》づくと雖《いえど》も、口気おのずから是《これ》道衍の一家言なり。況《いわ》んや易の貞凶《ていきょう》の貞は、貞固《ていこ》の貞にあらずして、貞※[#「毎+卜」、345−6]《ていかい》の貞とするの説無きにあらざるをや。伯夷量何ぞ隘《せま》きというに至っては、古賢の言に拠《よ》ると雖も、聖《せい》の清《せい》なる者に対して、忌憚《きたん》無きも亦《また》甚《はなはだ》しというべし。其《そ》の擬古《ぎこ》の詩の一に曰く、
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良辰《りょうしん》 遇《あ》ひ難きを念《おも》ひて、
筵《えん》を開き 綺戸《きこ》に当る。
会す 我が 同門の友、
言笑 一に何ぞ※[#「月+無」、UCS−81B4、346−2]《あじわい》ある。
素絃《そげん》 清《きよき》商《しらべ》を発《おこ》し、
余響《よきょう》 樽爼《そんそ》を繞《めぐ》る。
緩舞《かんぶ》 呉姫《ごき》 出《い》で、
軽謳《けいおう》 越女《えつじょ》 来《きた》る。
但《ただ》欲《ねが》ふ 客《かく》の※[#「てへん+弃」、346−7]酔《へんすい》せんことを、
※[#「角+光」、第3水準
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