《おく》を飜《ひるがえ》す。燕軍之に乗じ、傑等|大《おおい》に潰《つい》ゆ。燕兵追いて真定城下に至り、驍将《ぎょうしょう》※[#「登+おおざと」、第3水準1−92−80]※[#「晉+戈」、第4水準2−12−85]《とうしん》、陳※[#「周+鳥」、第3水準1−94−62]《ちんちゅう》等を擒《とりこ》にし、斬首《ざんしゅ》六万余級、尽《ことごと》く軍資器械を得たり。王|其《そ》の旗を北平《ほくへい》に送り、世子《せいし》に諭《さと》して曰く、善《よ》く之《これ》を蔵し、後世をして忘る勿《なか》らしめよと。旗世子の許《もと》に至る。時に降将《こうしょう》顧成《こせい》、坐《ざ》に在《あ》りて之を見る。成は操舟《そうしゅう》を業とする者より出づ。魁岸《かいがん》勇偉、膂力《りょりょく》絶倫、満身の花文《かぶん》、人を驚かして自ら異にす。太祖に従って、出入離れず。嘗《かつ》て太祖に随《したが》って出でし時、巨舟《きょしゅう》沙《すな》に膠《こう》して動かず。成|即《すなわち》便舟を負いて行きしことあり。鎮江《ちんこう》の戦《たたかい》に、執《とら》えられて縛《ばく》せらるゝや、勇躍して縛を断ち
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