を背にして陣し、密《ひそか》に火器|毒弩《どくど》を列《つら》ねて、粛《しゅく》として敵を待ったり。燕兵もと勇にして毎戦毎勝す。庸の軍を見るや鼓譟《こそう》して薄《せま》る。火器|電《でん》の如《ごと》くに発し、毒弩雨の如く注げば、虎狼鴟梟《ころうしきょう》、皆傷ついて倒る。又|平安《へいあん》の兵の至るに会う。庸|是《ここ》に於て兵を麾《さしまね》いて大《おおい》に戦う。燕王精騎を率いて左翼を衝《つ》く。左翼動かずして入る能わず。転じて中堅を衝《つ》く。庸陣を開いて王の入るに縦《まか》せ、急に閉じて厚く之を囲む。燕王衝撃|甚《はなは》だ力《つと》むれども出《い》づることを得ず、殆《ほと》んど其の獲《う》るところとならんとす。朱能《しゅのう》、周長《しゅうちょう》等、王の急を見、韃靼《だったん》騎兵を縦《はな》って庸の軍の東北角を撃つ。庸|之《これ》を禦《ふせ》がしめ、囲《かこみ》やゝ緩《ゆる》む。能《のう》衝いて入って死戦して王を翼《たす》けて出づ。張玉《ちょうぎょく》も亦《また》王を救わんとし、王の已《すで》に出でたるを知らず、庸の陣に突入し、縦横奮撃し、遂に悪闘して死す。官軍|勝
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