程暹《ていせん》、兪※[#「王+其」、第3水準1−88−8]《ゆき》、趙滸《ちょうこ》等皆|獲《え》らる。これ実に此《この》年《とし》十月なり。
 十二月、燕王河に循《したが》いて南す。盛庸兵を出して後を襲いしが及ばざりき。王遂に臨清《りんせい》に至り、館陶《かんとう》に屯《たむろ》し、次《つい》で大名府《たいめいふ》を掠《かす》め、転じて※[#「さんずい+文」、第3水準1−86−53]上《ぶんじょう》に至り、済寧《せいねい》を掠《かす》めぬ。盛庸と鉄鉉とは兵を率いて其《その》後《のち》を躡《ふ》み、東昌《とうしょう》に営したり。此《この》時《とき》北軍|却《かえ》って南に在《あ》り南軍却って北に在り。北軍南軍相戦わざるを得ざるの勢《いきおい》成りて東昌の激戦は遂に開かれぬ。初《はじめ》は官軍の先鋒《せんぽう》孫霖《そんりん》、燕将《えんしょう》朱栄《しゅえい》、劉江《りゅうこう》の為《ため》に敗れて走りしが、両軍|持重《じちょう》して、主力動かざること十日を越ゆ。燕師いよ/\東昌に至るに及んで、盛庸、鉄鉉|牛《うし》を宰して将士を犒《ねぎら》い、義を唱《とな》え衆を励まし、東昌の府城
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