め、東を実せんと欲すれば先づ西を撃つ。路虚しくして眼無ければ、則ち先づ※[#「※」は「虍」の下に「祖のつくり(ただし、最終画は右上にはねる)」+「見」、第4水準2−88−41、読みは「うかが」110−7]ひ、他棋に害無ければ則ち劫を做す。路|饒《おほ》ければ則ち疏すべく、路を受くれば則ち戦ふ勿れ。地を択んで而して侵し、碍無ければ則ち進む。此皆棋家の幽微、知らざる可からざる也。
○奕は数※[#「※」は二の字点(踊り字)、面区点番号1−2−22、110−9]するを欲せず、数※[#「※」は二の字点(踊り字)、面区点番号1−2−22、110−9]すれば則ち怠る、怠れば則ち精ならず。奕は疎なるを欲せず、疎なれば則ち忘る、忘るれば則ち失多し。
数※[#「※」は二の字点(踊り字)、面区点番号1−2−22、110−11]するとは対局すること繁多なる也。疎なるとは対局すること無くして歳月を経る也。
○勝つて言はず、敗れて語らず、謙譲を崇ぶ者は君子也、怨怒を起す者は小人也。高き者も亢ぶる勿れ、卑き者も怯なる勿れ。気和して而して意舒ぶる者は、其の将に勝たんとするを喜ぶ也。心動いて而して色変ずる者は、其の将
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