た。
 あの墓石を寄せかけた、塚の糸枠の柄にかけて下山した、提灯が、山門へ出て、すこしずつ高くなり、裏山の風一通り、赤蜻蛉が静《そっ》と動いて、女の影が……二人見えた。
[#地から1字上げ]昭和十四(一九三九)年七月



底本:「泉鏡花集成9」ちくま文庫、筑摩書房
   1996(平成8)年6月24日第1刷発行
底本の親本:「鏡花全集 第二十四巻」岩波書店
   1940(昭和15)年6月30日第1刷発行
※「切燈籠」と「切籠燈」の混在は、底本と底本の親本の通りなので、そのままとしました。
入力:門田裕志
校正:多羅尾伴内
2003年9月3日作成
2008年10月5日修正
青空文庫作成ファイル:
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