けて、トントンと肩を叩いてやったもので。
「きゃっきゃっ、」とまた笑うて、横歩行《よこある》きにすらすらすら、で、居合わす、古女房の背《せな》をドンと啖《くら》わす。突然《いきなり》、年増《としま》の行火《あんか》の中へ、諸膝《もろひざ》を突込《つっこ》んで、けろりとして、娑婆《しゃば》を見物、という澄ました顔付で、当っている。
露店中の愛嬌《あいきょう》もので、総籬《そうまがき》の柳縹《りゅうひょう》さん。
すなわちまた、その伝で、大福|暖《あったか》いと、向う見ずに遣った処、手遊屋《おもちゃや》の婦《おんな》は、腰のまわりに火の気が無いので、膝が露出《むきだ》しに大道へ、茣蓙《ござ》の薄霜に間拍子《まびょうし》も無く並んだのである。
橙色《だいだいいろ》の柳縹子、気の抜けた肩を窄《すぼ》めて、ト一つ、大きな達磨《だるま》を眼鏡でぎらり。
婦《おんな》は澄ましてフッと吹く……カタリ……
はッと頤《おとがい》を引く間も無く、カタカタカタと残らず落ちると、直ぐに、そのへりの赤い筒袖の細い雪で、一《ひと》ツ一《びと》ツ拾って並べる。
「堪《たま》らんですね、寒いですな、」
と髯
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