ぎ》って顕《あらわ》るる度《たび》に、娘は私を背後《うしろ》に庇《かば》うて、その鎌を差翳《さしかざ》し、矗《すっく》と立つと、鎧《よろ》うた姫神《ひめがみ》のように頼母《たのも》しいにつけ、雲の消えるように路が開けてずんずんと。」
時に高坂は布を断つが如き音を聞いて、唯《と》見ると、前へ立った、女の姿は、その肩あたりまで草隠《くさがく》れになったが、背後《うしろ》ざまに手を動かすに連《つ》れて、鋭《と》き鎌、磨ける玉の如く、弓形《ゆみなり》に出没して、歩行《ある》き歩行《ある》き掬切《すくいぎり》に、刃形《はがた》が上下《うえした》に動くと共に、丈《たけ》なす茅萱《ちがや》半《なか》ばから、凡《およ》そ一抱《ひとかかえ》ずつ、さっくと切れて、靡《なび》き伏して、隠れた土が歩一歩《ほいっぽ》、飛々《とびとび》に顕《あらわ》れて、五尺三尺一尺ずつ、前途《ゆくて》に渠《かれ》を導くのである。
高坂は、悚然《ぞっ》として思わず手を挙《あ》げ、かつて婦《おんな》が我に為《な》したる如く伏拝《ふしおが》んで粛然《しゅくぜん》とした。
その不意に立停《たちどま》ったのを、行悩《ゆきなや》んだ
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