も沈み、鶏の羽《は》さえ羽叩くに懶《ものう》げで、庇間《ひあわい》にかけた階子《はしご》に留まって、熟《じっ》と中空を仰ぐのさえ物ありそうな。透間に射《さ》し入る日の光は、風に動かぬ粉にも似て、人々の袖に灰を置くよう、身動《みじろぎ》にも払われず、物蔭にも消えず、細《こまや》かに濃く引包《ひッつつ》まれたかの思《おもい》がして、手足も顔も同じ色の、蝋にも石にも固《かたま》るか、とばかり次第に息苦しい。
白昼凝って、尽《ことごと》く太陽の黄なるを包む、混沌《こんとん》たる雲の凝固《かたまり》とならんず光景《ありさま》。万有あわや死せんとす、と忌わしき使者《つかい》の早打、しっきりなく走るは鴉《からす》で。黒き礫《つぶて》のごとく、灰色の天狗《てんぐ》のごとく乱れ飛ぶ、とこれに驚かされたようになって、大波を打つのは海よ。その、山の根を畝《うね》り、岩に躍り、渚《なぎさ》に飜《かえ》って、沖を高く中空に動けるは、我ここに天地の間に充満《みちみち》たり、何物の怪しき影ぞ、円《まどか》なる太陽《ひ》の光を蔽《おお》うやとて、大紅玉の悩める面《おもて》を、拭《ぬぐ》い洗わんと、苛立ち、悶《もだ》
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