ながら、
「私、どうしたら、そんな乱暴な人を友だちにしたんだか。」
 と自から怪むがごとく独言《ひとりご》つと、
「不都合な方と知りながら、貴女と附合ってる私と同一《おんなじ》でしょう。」
「だって私は、貴下のために悪いようにとした事は一つも無いのに、貴下の方じゃ、私の身の立たないように、立たないようにと言うじゃありませんか。早瀬さんへ行くのが悪いんなら、(どうでもして下さい、御心まかせ。)何のって、そんな事が、譬《たと》えにも島山に言われるもんですか。
 島山の方は、それで離縁になるとして、そうしたら、貴下、第一河野の家名はどうなると思うのよ。末代まで、汚点《しみ》がついて、系図が汚《けが》れるじゃありませんか。」
「すでに云々《うんぬん》が有るんじゃありませんか。それを秘《かく》そうとするんじゃありませんか。卑怯だと云うんです。」
「そんな事を云って、なぜ、貴下は、」
 少し起返って、なお背向《うしろむ》きに、
「貴下にちっとも悪意を持っていない、こうして名誉も何も一所に捧げているような、」
 と口惜《くや》しそうに、
「私を苦しめようとなさるんだろうねえ。」
「ちっとも苦しめやし
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