靴足袋の裏が何となく生熱い。
坐った膝をもじもじさして、
「ええ、御令室が御快諾下されましたとなりますると、貴下《あなた》の思召《おぼしめし》は。」
ちっとも猶予《ため》らわずに、
「私に言句《もんく》のあろう筈はありません。」
「はあ、成程、」と乗かかったが、まだ荷が済まぬ。これで決着しなければならぬ訳だが……
「しますると、御当人、妙子様でごわりまするが。」
「娘は小児《こども》です。箸を持って、婿をはさんで、アンとお開き、と哺《くく》めてやるような縁談ですから、否《いや》も応もあったもんじゃありません。」
と小刻《こきざみ》に灰を落したが、直ぐにまた煙草にする。
道学先生、堪《たま》りかねて、手を握り、膝を揺《ゆす》って、
「では、御両親はじめ、御縁女にも、御得心下されましたれば、直ぐ結納と申すような御相談はいかがなものでごわりましょうか。善は急げでごわりまするで。」と講義の外の格言を提出した。
「先生、そこですよ。」と灰吹に、ずいと突込む。
「成程、就きまして、何か、別儀が。」
「大有り。(と調子が砕けて、)私どもは願う処の御縁であるし、妙にもかれこれは申させません。無
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