た》は、貴女は御心配下さいませんように……先生、」
と更《あらた》めて、両手を支《つ》いて、息を切って、
「申訳がございません。とんだ連累《まきぞえ》でお在んなさいます。どうぞ、姉さんには、そんな事をおっしゃいません様に、私《わたくし》を御存分になさいまして。」
「存分にすれば蹴殺すばかりよ。」
と吐出すように云って、はじめて、豊かに煙を吸った。
「じゃ恐入ったんだな。
内に蔦吉が居るんだな。
もう陳じないな。」
「心得違いをいたしまして……何とも申しようがございません。」
と吻《ほっ》と息を吐《つ》いたと思うと、声が霑《うる》む。
最早罪に伏したので、今までは執成《とりな》すことも出来なかった小芳が、ここぞ、と見計《みはから》って、初心にも、袂《たもと》の先を爪《つま》さぐりながら、
「大目に見てお上《あげ》なすって下さいまし。蔦吉さんも仇《あだ》な気じゃありません。決《け》して早瀬さんのお世帯の不為《ふため》になるような事はしませんですよ。一生懸命だったんですから。あんな派手な妓《こ》が落籍祝《ひきいわい》どころじゃありません、貴郎《あなた》、着換《きがえ》も無くしてま
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