ゃ、ああ成程――風紀上、尤《もっとも》です……と、従って杯は。」
「さあ。(あたりを忍び目、カーテンばかり。)ちょっと一杯《ひとつ》ぐらい……お盃洗がなくて不可《いけ》ませんわね。」
「いや、特に感謝します、結構です。」
「あの、番町さん。私あの辺を知っていますわ。――学院の出ですもの。」
「ほう、すると英学者だ、そのお酌では恐縮です、が超恐縮で、光栄です。」
焼を念入に注意したが、もう出来たろうと、そこで運出《はこびだ》した一枚は、胸を引いて吃驚するほどな大皿に、添えものが堆《うずたか》く、鳥の片股《かたもも》、譬喩《たとえ》はさもしいが、それ、支配人が指を三本の焼芋を一束《ひとつか》ねにしたのに、ズキリと脚がついた処は、大江山の精進日の尾頭ほどある、ピカピカと小刀《ナイフ》、肉叉《フォーク》、これが見事に光るので、呆れて見ていると、あがりにくくば、取分けて、で、折返して小さめの、皿に、小形小刀の、肉叉がまたきらりと光る。
「ご念の入った事で……光栄です、ありがたい。」
「……お気にめして……おいしいこと。……まあ、嬉しい。それはね、手で持って、めしあがって、結構よ。」
「構いませ
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