を拾った事がある。小銅五厘|也《なり》、交番へ届けると、このお捌《さば》きが面白い、「若《おはん》、金鍔《きんつば》を食うが可《よ》かッ。」勇んで飛込んだ菓子屋が、立派過ぎた。「余所《よそ》へ行きな、金鍔一つは売られない。」という。そこで焼芋。
 と、活機《きっかけ》に作者が、
「三つ。」
 声と共に、※[#「口+阿」、第4水準2−4−5]※[#「口+云」、第3水準1−14−87]《あうん》の呼吸で、支配人が指を三本。……こうなると焼芋にも禅がある。
 が、何しろ、煮豆だの、芋※[#「くさかんむり/哽のつくり」、72−15]殻だのと相並んで、婆やが持出した膳もさめるし、新聞の座がさめる。ものが清新でないのである。
 不精髯《ぶしょうひげ》も大分のびた。一つ髪でも洗って来ようと、最近人に教えられ、いくらか馴染になった、有楽町辺の大石造館十三階、地階の床屋へ行くと、お帽子お外套というも極《きま》りの悪い代《しろ》ものが釦《ぼたん》で棚へ入って、「お目金、」と四度半が手近な手函《てばこ》へ据《すわ》る、歯科のほかでは知らなかった、椅子がぜんまいでギギイと巻上る……といった勢《いきおい》。しゃ
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